相手から離婚したいといわれたが自分は離婚したくない方へ

「離婚してほしい」

相手から突然離婚を突き付けられ、戸惑い、動揺したはずです。これまでの思い出やお子さんのこと、今後の生活のこと、様々なことを考え、離婚に応じるべきか、拒否するべきか悩まれたことと思います。その上で、このページに辿り着かれた方は、やはり離婚には応じたくないという考えに至った方のはずです。

離婚を申し出た相手からは「なぜ離婚に応じてくれないのか」と責められるかもしれません。しかし、一方で、いかなる理由があろうとも「離婚したくない」というあなたの気持ちも尊重されるべきで、誰に責められることでもありません。

以下では、相手に離婚したいと言われたが、やはりご自身は離婚したくないという方について、すべきこと、また反対にすべきではないことをそれぞれまとめました。

離婚に応じる必要はない

相手から離婚を切り出されてしまった以上は、これに応じなければならないものだと考えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、相手が一方的に離婚を申し出たからといって、これに応じなければならない義務はありません。

日本の離婚の手続きは、「離婚協議」→「離婚調停」→「離婚訴訟」と続いていきますが、最終段階である離婚訴訟を除けば、離婚の成立にはあくまで当事者間で離婚に合意することが必要です。つまり、相手から離婚を突き付けられたとしても、こちらが離婚に応じなければ離婚は成立しません。ご自身が離婚したくないのであれば、まずは「離婚には応じられない」という意思を明確に相手に伝えることが重要です。

離婚したくない場合にすべきこと

離婚をしたくない場合にするべき5つの事をご説明いたします。

①なにより冷静になる

②相手の気持ちは簡単には変えられないことを認識する

③相手が離婚を切り出した理由を確認する

④自分の気持ちを整理し、自分のできることを考える

⑤必要があれば離婚届不受理申立書を出しておく

①なにより冷静になること

突然相手に離婚を切り出されたとき、まさに青天の霹靂といった方はもちろん、ある程度予測できていたという方であったとしても、少なからず戸惑い、焦り、動揺したはずです。

一方で、離婚を切り出した相手も、重大な一歩を踏み出したことで、正常な精神状態ではない場合も大いに考えられます。

お互いに心が乱れた状態で話し合いをしても、良い方向に話が進むことはまず考えられません。とにかく、慌てず騒がず、まずは冷静になることが重要です。

②相手の気持ちは簡単には変えられないことを認識する

冷静になったところで、結婚はお互いの気持ちの問題ですので、相手が離婚を切り出した理由を確認する必要があります。しかし、その前に相手の気持ちは簡単には変えられないということを強く認識してもらいたいです。ご自身の考え方、接し方は変えることができますが、相手の気持ちを変えることは簡単ではありません。しかも、相手は一大決心をして、離婚を切り出しているので、その気持ちを変えるのはより容易ではない状況です。

すぐには相手の気持ちを変えようと思わずに、まずはなぜ相手が離婚を切り出すようになったのか、その理由をできる限りフラットな気持ちで聞くべきです。

③相手が離婚を切り出した理由を確認する

相手が離婚を切り出した理由について、うすうす感づいているという方もいれば、全く心当たりがないという方もいらっしゃると思います。

いずれにせよ、相手が離婚したい理由がわからなければ、こちらが変えていかなければならないこともわかりません。こちらがどのような努力すべきかわかりませんので、離婚を回避する方法を検討することもできません。

離婚したがっている相手にその理由を聞いた場合、あなたの欠点や嫌だったところを指摘され、辛い思いをするかもしれませんが、離婚を回避したいのであれば、冷静に相手の言い分を聞きましょう。決して感情的になってはいけません。

④自分の気持ちを整理し、自分のできることを考える

相手の気持ちを確認したら、難しいかもしれませんが、なるべく冷静になって、自分自身、今後夫婦関係をどうしていきたいのか、本当に離婚したくないのか、なぜ離婚したくないのかを考えてください。

相手が離婚を切り出している以上、少なくとも相手は、夫婦関係に何らかの問題を感じています。離婚したいと考えている相手と離婚せずに関係を修復したいのであれば、自分が変わるよりほかありません。相手が離婚を切り出した理由を踏まえて、相手の考えを変えようとするのではなく、夫婦の関係改善に向けて、自分のできることを考えてください。そして、できることからコツコツと始めていきましょう。関係改善には、ご自身が変わったということを相手に示すことが重要な第一歩です。

⑤必要があれば離婚届不受理申出書を出しておく

自分の署名押印をした離婚届を相手に渡してしまったけど、やっぱり離婚したくないという話はよく聞きます。また、早く離婚したい相手が離婚届に勝手に署名押印して提出してしまうという事態も考えられなくはありません。

離婚したくないのに、離婚届が提出されてしまう危険を感じる場合には、事前に離婚届の不受理申出書という書類を役所に提出することも検討しましょう。

離婚したくない場合にすべきでないこと

離婚をしたくない場合にするべき5つの事をご説明いたします。

①別居する

②一人で思い詰めて考える

③相手の弱みを責める

④親だからという説得

⑤感情に任せて相手を非難する

①別居する

確かに、関係改善に向けて冷却期間をおくために別居することでうまくいく場合もあります。しかし、別居が長期間続くとそれだけで婚姻関係が破綻したと認定され離婚が認められてしまう可能性があります。婚姻期間等にもよりますが、2年半ほど別居が続いた場合、裁判所は婚姻関係が破綻したと認定する可能性があります。

離婚をしたくないのであれば、別居は極力避けた方がよいです。相手の要望で、どうしても別居が必要となった場合は、期間を決めてご自身が自宅を離れ、いずれ同居が再開できる形での別居にすべきです。

②一人で思い詰めて考える

だれかに離婚を相談するのは勇気のいることです。しかし、一人で悩んでいても余計に詰まってしまい、相手を責めてしまうなどよくない方向へと感情が向かってしまうかもしれません。

ご自身の置かれた状況や気持ちの整理のために、ご友人などの第三者から客観的な意見をもらうことも大切です。精神的につらい場合には、心理カウンセラーなどに相談するのも一考です。法律の問題でわからないことがあるのであれば、弁護士などの専門家に相談することも有用です。専門家に相談することによって、ご自身の置かれた状況や考えがクリアになり、解決の方向性が見えてくることも大いにあり得ます。

③相手の悪いところを責める

有責配偶者である場合を除けば、夫婦関係で一方だけが悪いという事態はあまり考えられません。当然、離婚を切り出した相手にも悪いところはあるはずです。

しかし、相手の悪いところを指摘しても、それが真実であればあるほど、離婚を決意してしまっている相手は頑なになるだけで、かえって逆効果です。本当に相手に離婚を翻意させたいのであれば、相手を責めて相手を改めさせようとするのではなく、自分が変わることが大切です。

④妻だから・夫だから、親だからという説得

相手が離婚を切り出してきた以上、法的に妻であることや、夫であることを主張して責任を果たすように迫っても、相手の心に響くことはないでしょう。また、お子さんのことを持ち出したとしても、相手があなたと離婚したいという気持ちが変わるわけではありません。

相手が一度は離婚を決意してしまった以上、夫婦の関係改善には、相手の気持ちに寄り添うようにご自身が変わるよりほかないはずです。

⑤感情に任せて相手を非難する

突然離婚を切り出された場合、あまりのことに動揺し感情的になってしまうかもしれません。離婚を翻意させたいのに、感情に任せて相手を非難しても何も始まりません。相手はより一層離婚を強く決意するだけです。

夫婦関係は2人で築いていくものです。相手に離婚を翻意させたいのであれば、感情に任せて自分を優先させず、まずは相手を立ててください。一旦自分の感情や気持ちを整理して、相手の話をよく聞くようにしましょう。

調停の申立て

夫婦関係の修復を望む場合、できれば当事者間の話し合いで解決できるように努力すべきです。しかし、ご夫婦二人だけの話し合いでは平行線となってしまうことが多々あります。双方が信頼できるご友人などの第三者がいれば、間に入ってもらうのもよい手段ですが、そのような信頼できる第三者はいないという場合も考えられます。

そのような場合には、家庭裁判所へ調停を申し立てるのもよい手段です。離婚問題が生じた場合に話し合いでは解決せずに、離婚調停を申し立てたという話はお聞きになったことがあると思います。一方であまり知られていないかもしれませんが、離婚調停とは反対に、夫婦関係を円満に調整してもらう「円満調停」という調停もあります。いずれも夫婦関係調整調停という形式の調停になります。

「円満調停」を申し立てた場合、家庭裁判所の2名の調停委員がお互いの話を聞いて、間を取り持ってくれます。ご夫婦の間に入ってくれる信頼できる第三者がいないという方にはうってつけの方法です。

 

相手から離婚を切り出されたけれど離婚をしたくないという方、ご自身がどのような方向へ進んでいくべきか、一人で悩んでいてもなかなか良い方策は見つかりません。当事務所では、初回相談は1時間無料で承っていますので、是非一度ご相談においでいただきたいと思います。

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