生活費も渡さずモラハラを行い、話し合いが難しい夫と早期に離婚できた事例

【事案の概要】

 離婚/慰謝料の別 離婚

 理由 性格の不一致、モラハラ

 依頼者 性別:女性 年代:40代 職業:会社員

 相手方 性別:男性 年代:50代 職業:会社員

 子ども 有(2名)

 手続き 調停

 解決までの期間 依頼から10か月程度

【来所のきっかけ】

夫は、同居中に妻から威圧的言動を受けて精神的に疲弊したと主張して、依頼者である妻に対して離婚を求めてきた。

妻は、幼い子らもいることから、離婚に消極的であったが、その旨を夫に伝えると、夫は一方的に別居を開始して生活費も一切渡さないようになった。また、夫は自ら家庭裁判所に離婚調停を申し立てた。

そこで、依頼者は当事務所を訪れて、今後の対応について検討することとなった。

【事案の概要】

本件では、依頼者の意向としては子らの今後の養育等もあったため、まずは婚姻費用や養育費が争点となった。その後、依頼者としても、夫との婚姻生活を維持することは困難であると考え、離婚には応じる意思を有するようになったが、やはり子らの今後の生活を考え、財産分与が争点となった。また、依頼者は、子らとの現状の生活を維持するため、夫が名義を有する自宅不動産の取得を希望いたため、その点も争点となった。

【争点】

離婚の成否

親権

養育費、婚姻費用

財産分与

【解決内容】

調停の当初、夫は依頼者によるモラハラを強く主張し、一切の妥協を許さない態度であったことから、話し合いは難航した。

また、夫は弁護士を代理人に選任していなかったことから、自分勝手な考え方に終始し、婚姻費用や財産分与、養育費についても好き勝手な主張を繰り返した。

そこで、当方としては、離婚についてはさることながら、婚姻費用についてはこれ以上話し合っても意味がないと調停委員に説明し、婚姻費用の調停については早期の段階で不成立とし、審判に移行した。その後の婚姻費用の審判では、裁判官が夫を説得する形で、1回目の期日において当方の主張する金額に近いところで和解が成立することとなった。

離婚については、自宅の帰属及び退職金が争点となったが、その頃に夫が弁護士を代理人として選任したことから、夫のなかで整理がついたのか、その後は当方が希望する条件で離婚成立となった。

【解決のポイント】

相手方に弁護士が存在しない場合には、本人の考えがまとまらないことが原因となって、話し合いが困難なケースが存在する。

そのような場合には、早期に調停などを不成立とさせて、裁判や審判に事件が移行することにより、相手方が代理人を選任することになって事件が進行する場合がある。

本件でも、婚姻費用の調停について早期に審判に移行させたことにより、結果として相手方が代理人を選任することとなり、その後はスムーズに解決を図ることができた。

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