できるだけ多くの財産分与を受け取るにはどうしたらいいですか。

Answer

 財産分与の金額を増やすには、なんと言っても財産分与の対象となる財産の存在と内容をできる限り把握することです。これに尽きると言っても過言ではありません。

Point

 財産分与とは、離婚の際に、婚姻中の夫婦の共同生活によって得られた財産(これを夫婦共有財産といいます)を清算するための制度です(そのほか、離婚後の「扶養」的要素や離婚における「慰謝料」的要素があると考えられていますが、その主眼が夫婦共有財産の「清算」的要素にあることは明らかです。)。

 この清算的な財産分与の具体的な金額は、①基準時(別居した場合は「別居時」、別居しない場合は「離婚時」)における夫婦共有財産を確定し、これを金額に評価し、②夫婦それぞれが夫婦共有財産の形成に貢献した程度によって定められる分与割合を乗じることによって算出されます(なお、分与割合については、夫婦2分の1ずつで決められることが大半で、これは「2分の1ルール」などと呼ばれます。)。

 以上を図式化すると

    【財産分与額=①夫婦共有財産×②夫婦の分与割合(通常2分の1)】

 となります。

 以上の図式を見ても明らかなとおり、財産分与の対象となる①夫婦共有財産が増えれば、必然的に財産分与額も増えることになります。しかしながら、当該夫婦がどのような財産を持っているかといった情報は、離婚調停や離婚訴訟といった裁判手続を利用することになっても、裁判所が親切に探し出してくれるものではありません。

 財産分与の対象となる夫婦共有財産として、どのような財産を持っているかは、財産分与を請求する側が、これを探し出して、裁判手続では主張立証しなければなりません。証拠を示して具体的にその存在を主張立証できない財産は、裁判手続においては存在しないものと扱われてしまいます。「給料をもらっているからどこかの銀行に必ず口座はあるはずだ」といった主張がなされることがありますが、この程度の主張だけでは当該口座はないものと扱われてしまいます。通帳等を示して「○○銀行の浜松支店に口座があるはずだ」などと、具体的に主張する必要があります。

 以上のとおり、財産分与の金額を増やすには、財産分与の対象となる夫婦共有財産を事前にどれだけ把握できているかが、非常に重要であり、この一点で勝負が決まると言っても過言ではありません。

 そのためには、同居中に相手方の保有している財産を把握しておくことが重要です。離婚を検討されており、財産分与の金額を少しでも増額したいとお考えの方は、離婚を切り出す前、そして同居中に、相手方がどのような財産を持っているか、情報収集しておくことが必要条件となります。

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