【事案の概要】
・離婚/慰謝料の別 離婚
・理由 性格の不一致、妻の軽度の精神疾患
・依頼者 性別:男性 年代:50代 職業:会社役員
・相手方 性別:女性 年代:50代 職業:専業主婦
・子ども 成人1人
・手続き 調停
・同居期間 約25年
・解決までの期間 依頼から10か月
【来所のきっかけ】
両者の間に長女が生まれた頃から、妻の精神疾患が酷くなり、依頼者である夫は長年にわたって妻の過激な行動に苦しめられてきた。
妻は、夫だけではなく、時には長女にも過激な行動に及ぶことがあり、夫はその頃から妻との離婚を決意していたが、妻の面倒は自分がみるしかいないという思いも一方であり、同居と別居を繰り返す生活を送っていた。
その間、夫は複数の会社を設立するなど仕事は順調であったが、長女が独立したのをきっかけに妻との離婚協議を進めようと決意した。
ただ、妻と冷静に話し合うことは今までの経緯からして不可能であったため、夫は最初から弁護士に調停等の対応を任せたいと思い、当事務所を訪れた。
【事案の概要】
妻の長期間にわたる精神疾患が原因で夫婦関係が破綻した事案である。
同居中から、妻は精神的に不安定となると「離婚する」、「やっぱり離婚しない」の繰り返しであり、まずは離婚の成否が大きな争点となることが想定された。そして、両者の結婚以来、妻は一貫して専業主婦であったことから、夫と離婚した場合の経済面を危惧して、妻が離婚に消極的になることが想定された。
また、夫は複数の会社を所有していたことから、会社の株式等を巡る財産分与が争点となる可能性があった。ただ、夫としては、会社の株式や会社の資産等について財産分与の対象とすることは、会社の経営に影響が出る可能性があったため、回避したいというのが本音であった。
【争点】
・離婚の成否
・財産分与
【解決内容】
妻は精神的に不安定であったため、任意の協議は無駄に終わる可能性が高いと考え、最初から家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停を申し立てることとした。
そうしたところ、妻は弁護士を選任したが、当初は当方の想定通り、妻は離婚に消極的な態度を示し、高額な婚姻費用を請求してきた。
そして、この時点では、調停委員からもこのままだと離婚調停は不成立とせざるを得ないことを示唆された。
そこで、当方は、次回までに共有財産に関する目録(財産目録)と当方が想定する離婚条件を提示すると回答し、次回の期日までにそれらの書面を提出した。離婚条件については、会社の株式や資産等は財産分与の対象としないものの、妻の今後の経済的不安を除去するため、現在居住している自宅やまとまった金額を分与することを提案した。
そうしたところ、その後の期日では、裁判所の調停委員も当方の提案に理解を示してくれるようになり、妻をある程度説得してくれたのか、離婚条件を具体的に検討する話し合いとなった。
その後、両者間で分与する金額についての攻防があったが、最終的には当方が当初に提案した金額で合意することができ、無事に離婚が成立した。依頼者である夫からは、会社の株式や資産等に手をつけることなく離婚をすることができたと感謝された事案であった。
【解決のポイント】
①妻の不信感を拭い去るために夫が管理する共有財産を細かく開示したこと
②妻の経済的不安を除去するために現在の居住状態を維持できる内容の離婚条件を提示したこと
上記の2点が解決のポイントであった。夫が経営する複数の会社の株式等の財産分与が争点化してしまった場合、解決までに2〜3年はかかりそうな事案であったが、比較的早期に解決することができた事案であった。