【事案の概要】
離婚/慰謝料の別 離婚
理由 モラハラ、経済的虐待
依頼者 性別:女性 年代:20代 職業:専業主婦
相手方 性別:男性 年代:30代 職業:会社員
子ども 有(1名)
手続き 協議
解決までの期間 依頼から4か月程度
【来所のきっかけ】
夫は、同居当初から妻に強い態度で接したり、妻に特に非がないにもかかわらず激しい言葉で責め立てることが多かった。特に、第一子の出産後、妻が子どもの監護で時間を取られ、夫の家事や相手が十分にできない状況となると、夫の言動はより激しくなっていった。妻は、子育てを一時的に自分の親に助けてもらおうと思い、実家に2,3日戻ることを夫に伝えても、夫はそれさえ許さなかった。このように、夫は典型的なモラハラ男性であった。
妻は夫のそのような態度に呆れ果て、離婚を決意したが、妻は自分一人では夫との交渉ができないと思い、自分に代わって離婚協議を進めてくれる代理人を探すため、当事務所の法律相談に訪れた。
【事案の概要】
本件では、夫は離婚について当初消極的な意見であったため、離婚の成否が第一の争点であった。また、夫は仮に離婚に応じるにしても、その場合は子の親権の取得を希望していたため、親権や面会交流、養育費が争点となった。
【争点】
離婚の成否
親権
養育費
面会交流
【解決内容】
妻の代理人に就任した後、夫に当方の希望を記載した内容証明郵便を送付し、離婚協議を開始した。
交渉の最初の段階では、夫は離婚について消極的であったが、当方からモラハラの具体的事実を時系列で詳細に示した上で、離婚の意思が強いことを伝えると、離婚には応じるとの回答があった。
その後、夫からは子の親権を取得したいとの申し出があったが、当方から面会交流の方法について具体的に提案すると、夫は最終的に親権を諦め、養育費についても算定表の金額に従うとの回答がなされた。
本件では、交渉の初期の段階において、訴訟を視野に入れた形でモラハラの具体的事実を丁寧に主張したことにより、夫に対して婚姻継続の可能性が低いことを認識させることに成功し、早期の離婚を達成することができた。
【解決のポイント】
離婚の成否と親権が争点となった場合、財産分与などのお金の話と異なって「痛み分け」的な解決が困難であるため、離婚交渉が長期化することが多い傾向にある。
もっとも、本件では、協議の早い段階において、訴訟で作成する訴状や準備書面と同じような詳細な書面を提示したことにより、妻の強い意気込みを夫に伝えることに成功し、夫の譲歩を引き出すことに成功した。